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心の病とは

心の病とは
(1) そもそもこころの病気って何?
(1) そもそもこころの病気って何?のイメージ写真

医学的に「病気」とは、正常な状態に対する異常であり、この異常により何らかの不利益を起こし得るものを示します。
やはり、こころの病気もこの「病気」の定義に当てはまります。ただしこころの病気の場合は、みなさんが何となくお気付きのように、体の病気の場合と少し事情が違います。それは、人間は例え非難され得るような人格であったとしても、どのような人格の人間が居ても良いはずであるという現在の常識的で最も基本的人権に対して反する様に見える事によるものと考えます。
実際、数十年前に「反精神医学」という考えが世界を席巻していた時代がありました。その時代、その地域の文化、その時の社会情勢などによって決まった常識に合わなければ異常であり、合っていれば正常に分けて、その異常を矯正するのが精神医学であり、おこがましくも精神医学はその正常や異常を決めているというのが、「反精神医学」の考えでした。これは正に、上記のような現在の常識的で最も基本的人権に反する精神医学を浮き彫りにしている考え方であります。しかし、現在ではこの反精神医学の考えは既に廃れています。それは何故かでしょうか。

その理由は、病気というものはこころの病気であろうが体の病気であろうと、正常か異常かという事ばかりではなく、その人や或いは周囲の人々がその病気によって不利益を被り得る事が、病気が「病気」である最も重要な要素であるからであります。また医学はその「不利益」を解決する事で初めて成り立っている学問であります。この「不利益」を解決する行為が治療であります。つまり、言い方が少々乱暴ですが例え「異常」があっても、その人やその周囲の人々が不利益を被らなければ病気では無く、治療の必要もありません。また別の言い方をすると、こころの病気に罹っている人々は、必ずこころの病気によって何らかの「不利益」を被っているのです。

こころの病気とは、正常か異常かという論議が一般的なものとの比較で出てくる事はありますが、その人やその周囲の人々が精神的に「不利益」を被っている状態であると考えます。なお、因みに精神的な不利益とは、その人個人であれば、例えば「不安」や「抑うつ感」、「焦燥感」、「認知能力の低下」などがそれに当たり、その人の周囲の人々であれば、例えばその病気の人自身は病気の自覚が無い為に起こる「暴言・暴力」や「社会的逸脱行為」(犯罪行為やモラル的逸脱など)などがそれに当たると思います。

(2) こころの病気の原因って?
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こころの病気の原因として、大まかに分けて以下の①~④の4つに分類できます。「こころ」という機能を司っている脳は神経細胞の塊からできている臓器で、その脳の神経細胞がお互いに連絡し合って「こころ」がうまれているので、脳の異常として、次の様な病気の原因が考えられると容易に想像が着くと思います。何らかの原因で(外傷や感染、先天性異常などの原因で)神経細胞の塊の構造そのものが壊されて起こる病気《器質性精神疾患》、脳の神経細胞同士の互いの連絡に異常が起こる病気《内因性精神疾患》、何らかの薬物やホルモンなどの物質に脳がさらされる事によって脳の神経細胞の塊が壊されたりや脳の神経細胞の互いの連絡に異常が起こったりして起こる病気《中毒性精神疾患》、生まれてからの生い立ち的な環境や現在置かれている周囲の環境などへの不適応によって起こる病気《心因性精神疾患》です。次にほんの少しだけですが、各論と具体例を示します。

1.器質的精神疾患
1.器質的精神疾患のイメージ写真

頭部外傷や脳血管障害、中枢神経系への感染症などによる各種精神疾患(意識障害や認知能力の変化、知的能力の低下、性格変化、てんかんなど)、アルツハイマー型や血管性などの各種認知症、交通事故後などの高次脳機能障害などや、先天的なものとして、自閉症やアスペルガー障害などの広汎性発達障害、注意欠陥多動性障害、学習障害など、先天的な知的障害もここに入ります。ただし、頭部外傷や脳血管障害などは重症になり易く、脳外科や内科で対応する事が多く有ります。また、器質的な精神疾患は「病気」ではありますが、後遺症としての「障害」、先天的な「障害」である事も多いといえます。

2.内因性精神疾患
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脳内の神経細胞と神経細胞は、いわゆる脳内物質といわれる化学物質でお互いに連絡し合っています。例えば、ドーパミンやセロトニン、ノルアドレナリンなどが有ります。主にドーパミンが異常に多く分泌されて細胞間の連絡に異常が起って起こる病気は、統合失調症(以前は精神分裂病といわれていました)ですし、主にセロトニンが異常に少なく分泌されて起こる病気は、内因性うつ病といわれています。他に、躁うつ病もこれに入ります。

3.中毒性精神疾患
3.中毒性精神疾患のイメージ写真

何らかの薬物やホルモンなどの化学物質が、脳の神経細胞やその相互の連絡へ影響して起こる精神疾患です。薬物やホルモンなどの化学物質が、血液を介して、質的にまたは量的に毒性を示して病気を起こします。具体例として、薬物が関わるものは、覚せい剤や麻薬などによる精神疾患(幻覚妄想状態や興奮状態、多幸感など)、アルコールによる様々な精神的影響、薬物としてのステロイド系薬物の副作用(抑うつ状態や躁うつ混合状態などの気分障害などを示します)など、ホルモン系が関わるものとして、女性の生理中や生理の前後での気分障害、いわゆるマタニティー・ブルー、甲状腺機能の異常に伴う精神疾患(バセドー病に伴う躁状態や橋本病に伴う抑うつ状態などがそれです)などがあります。

4.心因性精神疾患
4.心因性精神疾患のイメージ写真

その人がこれまでおかれてきた環境、または今現在おかれている環境へ、その人が不適応を起こしている事によって起こる精神疾患です。その人がこれまでおかれてきた環境へ不適応を起こしてきた事を原因とするものとしては、神経症(いわゆる「ノイローゼ」です)やパーソナリティ障害など、今現在おかれている環境への不適応を原因とするものとしては、適応障害や身体表現性障害などが入ります。

より具体的には、神経症はパニック障害や広場恐怖、社会不安、全般性不安障害、強迫性障害などが入り、今現在の不適応が「きっかけ」になる事が多いですが、根本の「原因」は過去からの不適応によるものです。既記の内因性うつ病とは違う「心因性」の不適応が原因のうつ病もここに入り、因みに以前はこのようなうつ病は抑うつ神経症といわれていました。またパーソナリティ障害は境界性パーソナリティ障害(ICD-10では情緒不安定性パーソナリティ障害)や自己愛パーソナリティ障害、演技性パーソナリティ障害、反社会性パーソナリティ障害などがそれです。PTSD(Posttraumatic stress disorder外傷後ストレス障害)なども適応障害の中に入ります。また心因性の身体的疼痛(頭痛や背部痛、腰痛など)や身体的違和感などは身体表現性障害に入ります。

これらの心因性の精神疾患は、ここ数年来の精神科・心療内科への受信者数が急に増加した原因の最も重要な原因になっています。つまり上記の①②③の精神疾患群の方々の数はさほど変わりませんが、心因性精神疾患の方々の数はものすごく増えているという事です。メンタルクリニックやまびこはこの心因性精神疾患を主なターゲットに考えています。もちろん、他の上記の①②③の疾患群もきちんと診療いたします。

また最後に付け加えますが、個人的には「パーソナリティ障害」という病名は「人格否定」みたいな印象があり非常に良くない名前であると考えています。「パーソナリティ障害」という名前は、以前はもっとひどく「人格障害」とされていましたが、もともとはPersonalitydisorderの訳語で、Personality(パーソナリティ=人格)のdisorderの事で、disorderという単語はdis-order と語源を分けられ、disは否定の意味の接頭語で、orderは「命令」「指示」「統合」という意味で、つまりPersonality disorderとは、いわばパーソナリティの「不」-「統合」状態の意味です。パーソナリティ障害とはもともとはこのような意味であって、「パーソナリティ障害」の響きは「人格否定」の響きがあり、変更の必要性を常々感じています。

(3) こころの病気の診断って?
(3) こころの病気の診断って?のイメージ写真

そもそも診断とは、病気の治療における「方針」といえるものです。もちろん病気の「種類分け」という性格もありますが、非常に複雑で理解するのに困難な人間の病気(精神疾患も身体的疾患も)を、一言で簡単に伝える事が出来、その人の病気を理解するのに役立つのが診断です。

しかし例えば、クイズが出題されてヒントが出されたとして、正解が示された後になってからわかる事ですが、ヒントがかえって正解を遠のかせたという経験がどの方にもお有りだと考えますが、これと同じように、診断が違うと正解(真の病気)から遠のく事もあります。特にヒントに固執し過ぎるとより正解から遠のくのと同じように、診断に固執し過ぎ、特にその診断が誤診であったりすると、正しい治療から遠のきますし、かえって有害になる事があります。

しかし一方で、診断は、特に正しければ、治療に於いて挫けそうになったり、迷ったり、他者から理解を得るためなど、正しい治療を一貫して効果的に行えるといった非常に大きな利益を得る事ができます。精神科・心療内科にとっては、自分のおかれている状態・状況を直面化でき、また客観的に自分の状態・状況を冷静に見る事ができる機会を与えるという意味でも、治療の面でも非常に有効なものでもあります。

つまり、診断は出来るだけ正確に、出来るだけ正確な診断ができる手段を用い、場合によっては一つの診断に固執せずいつでも出来るだけ正確な診断へと変更できる勇気を持って、診断を扱っていく必要があるという事です。これらの事を踏まえて、精神科・心療内科の診断を以下に説明いたします。

身体的な疾患であれば、採血やレントゲン撮影、CTスキャンなど多種多様の検査を用いて、表からは見えない身体の状態を調べて、原因を追究して診断がつきます。究極的には、例えば肝臓の病気ならば、お腹に針を刺して肝臓の細胞を取ってきて、それを顕微鏡で見て、確定的な診断がつきます(因みにこのような検査を「生検」または「バイオプシー」といいます)。しかし、こころの病気はどうでしょうか?脳のように複雑で、少しでも傷付ければ、即死してしまいかねない部位もある臓器に、安易に針やメスを入れる訳にはいきません。脳外科での手術も、巧みに危険な部分を避けた上で行っているもので、場所によっては手術が不可能な場所もあります。

そのため、こころの病気、精神科・心療内科では、一部の病気ではCTスキャンやMRIなどの脳全体の状態を調べる画像検査を行いますが(アルツハイマー型などの認知症などで画像検査を使います)、これらを除いては、精神科医の問診や観察による診断と、心理検査が診断の中心となります。実際は時間の問題もあり、精神科医の問診や観察が中心で、心理検査は補助的に使われる事が多いようです。だからといって、心理検査の精度が低いとか正確でないという訳ではありません。むしろおそらく一般の方が考えるよりもずっと精度が高くて、当たっていると思います。

私は、大学は医学部でしたが、大学院では臨床心理学を専攻しておりましたので、出来るだけ心理検査を用いて、出来るだけ正確で確実な診断をつけたいと考えています。そのため、メンタルクリニックやまびこは、心理検査などの心理学的な要素を大いに組み込んで、より正確で確実な診断をし、必要ならばいつでも自分の診断を変更し、常に患者さんにとって有益な診療をしていく診療所であると自負しております。

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